『プロ』とは

新人研修をしてきました

 ある会社から依頼を受け、先日新入社員研修を実施してきました。少し緊張した様子の新人たちを前に話をしていると、こちらも身の引き締まる思いがします。これから新しい環境で先輩や上司、取引先などと関わりが増え、色々なことを経験していくことでしょう。頑張ってもらいたいものです。

  心理屋が実施する研修プログラムですから、その内容はメンタルヘルスで、ストレスマネジメント、セルフケアが主題となります。そして、セルフケアのひとつとして、日頃の生活習慣の見直しが話題になります。決められた時間に出社し、パフォーマンスを発揮するためには、生活リズムを整える必要がありますよね、という類の話です。また、バランスを考えた食事を取ったり、適度な運動を心がけたり、質の良い睡眠を取るなどが本来必要です。

しかし、私がそうだったように、新入社員が最初から「よし、心を入れ替えて規則正しく生活するぞ」と思う人は稀なようにも思います。暴飲暴食してもそれほど体調が悪くならない人もいるし、ちょっと睡眠不足が続いても、若い頃は体力も回復力もあり、そう簡単にはガス欠にならないからです。

 セルフケアというのは、一般的に色々なところで見聞きする、食事・運動・睡眠を整えることが1つの基本です。基本であるがゆえ、多くの方にとっては「知っている・聞いたことがある話」で、「当たり前のこと」になってしまい、聞き流してしまうことが多いのではないでしょうか。しかし、その「当たり前のこと」を実践し続けている人は少ないものです。「当たり前」「基本的なこと」を継続して実践するのは簡単なことではないのです。 


『プロ』として

 そういうわけで、こちらとしては伝えたい話題だけど、聞く方はそれほど関心を示さないような話なのです。そうした話をする時、私は「皆さんは入社され、『プロ』になったのですよね。『プロ』は最高のパフォーマンスを発揮するために基本的なことを地道に、忠実に実践します。ここで言えばコンディションを整えることが基本中の基本ですよね。」というような伝え方をすると、ちょっと目つきが変わります。納得感が高いようです。

  ところで、『プロ』とはどういう人でしょうか。辞書によると、

 『プロ=プロフェッショナル(professional)』とは、

① 〔名〕専門家。本職。プロ⇔アマチュア 

② 〔形動〕職業的、専門的であるさま。「-な仕事ぶり」

となっていました。ネット検索すると様々な定義が出てきます。プロ野球選手やプロゴルファー、プロボクサーなどは名称に『プロ』とついているのでわかりやすいですが、専門家という意味では『医師』、『弁護士』、『料理人』なども『プロ』と認識されているでしょう。

何らかの資格があることも条件かもしれませんが、プロ野球選手には資格はありません。

また、報酬を得て生活できること、も条件になりそうですが、例えばプロゴルファーはそれだけで生活できる人は一握りだそうですので、そういうわけでもなさそうです。 そして、会社員は『プロ』なのでしょうか。会社員が自らを『プロ』だ、というのを私はあまり聞いたことがないように思います。わざわざ声高に言わなくてもいいことかもしれませんが、なぜ会社員は自分を『プロ』だという人が少ないように思われるのでしょうか。

そういう私も、会社員時代は自分を『プロ』だとは思えていなかったように思います。 


  資格や収入の多寡が条件になるわけではなく、「仕事に対する意識」の違いなのかなと私は考えました。プロのアスリートは結果が収入に直結するので結果を出すために鍛えるだけでなく、修練の成果を発揮できるようコンディションを整えるでしょう。同じように、特別な資格を持たない会社員だって、『プロ』意識を持つことは可能です。仕事の依頼人に対して責任を持った仕事をする、という意識を持てているか、仕事を「やらされる」のではなく、自分の持てる最善を尽くして仕事をしようとしているか、そのために研鑽を続け、能力が発揮できるよう体調管理にも気を配っているか、ということなのではないかと思います。

 ちょっと暑苦しくなってきましたが、そういう意識を持たずに仕事をしていると、自分を『プロ』とは思えないのかもしれません。あなたは『プロ』意識を持って仕事をしていますか?私は『プロ』として認められる仕事をしていきたいものだと改めて感じました。 

Mental Care Office OTN

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